卜傳流剣術

 宗家

小山 秀弘

〒036-8335

青森県弘前市春日町1

■ 電話(0172)32-6045

  小山 秀弘

由来

 当流は剣聖塚原卜傳から数えて十六伝にあたる越前国の田中武平の弟子中村次太夫が、延宝年間に弘前藩家老職棟方作右衛門家の食客となったことから津軽へもたらされた。
 その後の道統は、弘前藩与力の小山次郎太夫英貞が継ぎ、小山家はそれまでの當田流剣術師範を辞め、享保十一年から當田流棒術及び林崎新夢想流居合とともに当流の師範家となってその研鑚に努めてきた。近世後期に流儀が繁盛し、同藩三大道場のひとつと称されて、小山家は藩校稽古館において当流の剣術教授方を務めた。なかでも英貞の弟、小山太郎兵衛英長は、弘前藩歴代の「名誉の達人」とされて数々のエピソードを残し、寛政五年に「武芸格別抜群なる者」として、藩から幕府老中松平越中守へ報告された。また、当流は藩主による文久二年の一統面仕合稽古(全流派合同シナイ稽古)令の施行にともない、藩内外の各流派との交流仕合にも応じた。しかし、廃藩置県とともに歴代の指南役を解かれ、明治十六年から主な活動の場を町道場「北辰堂」へと移し、現在は当流のみを家伝として代々継承し、今日に至っている。

系譜

流祖・塚原卜傳-十六伝田中武平-中村次太夫-棟方十左衛門清久-棟方作右衛門貞良-小山次郎太夫英貞-小山太郎兵衛英長-小山太郎兵衛英倫-小山倉蔵英清-小山太郎兵衛英直-小山百蔵英正-小山英一英孝-小山英太郎-小山秀雄-小山秀弘

流儀の特徴

 一つの太刀に生を燃焼しつくし、一気に甲をも打ち割る気迫を込めた捨身の技を精神とする。間、拍子の修練を重視し、体を左右にかわすか、退くかして、相手の攻撃をはずして技を決める形が目立つ。

伝承されている伝書

 一 卜傳流剣術目録
 一 卜傳流剣術目録追加
 一 卜傳流剣術免書 他

活動状況

平成二十一年には創立百二十六周年を迎える伝統ある北辰堂道場(堂長=剣道教士八段・小山秀弘)で毎朝剣道を修練するかたわら、日曜日には卜傳流剣術の形も併せて稽古している。北辰堂の行事の際には必ず演武するほか、毎年当地で行われる武徳祭及び八幡宮奉納大会には決まって演武するのが恒例となっている

●稽古場及び支部
 ▽北辰堂
 〒036-8335
 青森県弘前市長坂町37
 電話(0172)33-9215
小太刀「折剣」三本目小太刀「折剣」三本目 小太刀「表」三本目小太刀「表」三本目 大太刀「折身」三本目大太刀「折身」三本目