第十八代宗家 柴田 章雄 〒160-0016 東京都新宿区信濃町11-12 ■ 電話(03) 3341-8932 ■ 鞍馬流剣術 ホームページ |
鞍馬流は京八流、所謂鬼一法眼の流れをくんだ流派といわれている。流祖の大野将監が何人について修行し、この刀法を編み出したかは、戦災により秘伝書焼失のため明言できないことは残念である。
鞍馬と名のつく流派は、剣・槍・棒・抜刀などいくつかあったが、剣術では将監鞍馬流だけとなってしまった。天正年間に大野将監によって創始され、林崎甚助、その後の伝承は不明なところがあるが、幕末から明治にかけて、十四代金子助三郎、直参旗本の十五代、柴田衛守がこの流派の中興の祖といわれている。
柴田衛守は直参旗本出身で、八歳のとき(安政三年)金子助三郎の門に入り、助三郎の子熊一郎に師事して修行、十八歳(慶応二年)で免許皆伝を得ている。本心鏡智流槍術、小野派一刀流、柔術、捕縄術などを極め、警視庁武術世話係(後主席師範)を務めつつ門人を育て、明治十二年に、東京四ッ谷に習成館(勝海舟命名)道場を開き、その後、大日本武徳会範士を授与されている。
続いて、衛守の子・勧(警視庁、貴衆両院の剣道師範)と受け継がれたが、昭和二十年の戦災で道場は焼失し、鞍馬流の秘伝書の数々や、柴田家に伝わった古文書、武具などは全て灰となってしまったことは、誠に惜しい極みである。戦災で焼失した習成館道場は、勧の子・鐵雄により平成元年に同地に再興され、近代的施設設備の道場となり、鞍馬流の形稽古、研究がより盛んに行われてきた。
平成十六年に鐵雄は病没、現在は鐵雄の子・章雄が十八代宗家として、鞍馬流と道場を継承している。当流を修行された剣道家としては、故小澤兵範士九段、故岡田守弘範士八段の両先生がおられる。
流祖・大野将監
林崎甚助
金子助三郎
柴田衛守
柴田 勧
柴田鐵雄
柴田章雄
鞍馬流の形は、蛤刃の太い木太刀を使って行い、気迫に富んだ発声をもって演武するのが特徴である。「正當剣」は現代剣道の正面打ちの手本のような形であり、「変化」は捲き落としの技で、現代剣道にも通じるものがあり、当流の代表的な技である。
「変化」は警視流木太刀の形(十流派からの抜粋)の二本目にも取り入れられている。返し技が多く、鎬の使い方に特徴があり、仕太刀の「後の先」の技を引き立てるように組まれている。
《教訓歌》
「器用をも達者も得手もたのむまじ
ただねり込みて功をつむべし」(柴田衛守)
「気は長く心は丸く腹立てず
己小さく人は大きく」(柴田 勧)
現在の活動状況は、毎週月、火、水、金曜日と第二・四土曜日の夕刻より習成館道場で現代剣道と併せて鞍馬流の稽古を行っている。 昭和十年、古武道各流大会が日比谷公会堂で行われたとき(十六代勧出場)以来、各種の大会に出場させていただいている。特に毎年恒例の、明治神宮、靖国神社などへの奉納演武や各地の剣道大会での特別演武として形を披露し、伊勢神宮の式年遷宮奉祝演武大会にも出場させていただいた。ここ数年海外での演武は、オーストラリア、フランス、ドイツなどである。
●稽古場及び支部 |
▽習成館道場 |
〒160-0016 |
東京都新宿区信濃町11-12 |
電話(03)3341-8932 |
稽古日=月・火・水・金 午後6時〜8時半。第2・4土曜日午後4時〜6時 |
五本目 変化 | 明治神宮奉納古武道大会 |