竹内流柔術腰廻小具足

 相伝家十三代目

竹内藤十郎

〒709-3104

岡山県岡山市建部町角石谷1131

■ 電話(086)722-3385

  竹内藤十郎

由来

 竹内流は、天文元年(一五三二)、美作国一ノ瀬城主竹内中務大輔源久盛によって創始された。竹内系書古語伝(竹内家蔵)には、流儀の始まりを荘厳化する逸話が延々と語られているが、このときに編み出された「神伝捕手五ヶ条」は、秘伝として現在に伝えられている。
 久盛の創始した流儀は、三代にわたって体系化された。二代目久勝(久盛の次男)は二十歳で「必勝五ヶ条」の技を会得し、二十三歳で諸国武者修行に出かけ、各地での真剣勝負を「八ヶ条之事」に集大成した。そして、三代目久吉(久勝の長男)が諸国武者修行によって兵法自在の奥義を極め、腰廻小具足をはじめとする流儀を完成させるに至った。なお、八代目久愛の遺志により、一人っ子久種が分家して藤十郎家を設け、流儀の血脈が絶えるのを防ぐ措置が講じられた。そして、創流以来四百七十数年を経た今も、一子相伝により流儀の技と心が連綿と継承されている。

系譜

流祖・竹内中務大輔久盛-竹内常陸介久勝-竹内加賀介久吉-竹内藤一郎久次-竹内藤一郎久政-竹内藤一郎久重-竹内藤一郎久孝-竹内藤一郎久愛-竹内藤十郎久種-竹内藤十郎久守-竹内藤十郎久充-竹内藤十郎久博-竹内藤十郎久武(本名・竹内武夫)

流儀の特徴

 竹内流は戦国時代の組討、捕手腰廻小具足を中核にした総合武術であり、柔術の源流ともいわれている。流儀の真髄は、久勝伝来の極意心要歌に「当流を五体に配り見る時は組討こそは流の心よ」と詠まれている。腰廻小具足で使う小刀は、流祖久盛の神伝捕手の伝にちなみ、一尺二寸の脇差・鎧 ・前差を常用する。
 羽手(拳法体術)は、殺穴への当て身を第一とし、これに続いて投げ技や留め技を展開する。また、捕縄の縄は、二代目久勝が近衛関白から賜った冠の色にちなんで紫縄を使う。

伝承されている伝書

  『竹内系書古語伝』、『神文帳竹内氏』、『竹内流捕手懐中用心帳日下捕手開山八代目久愛一子久種記』、『嘉永三戌年竹内流諸巻物写』、『體内景圖五臓六腑之巻』、その他秘伝書数十点

活動状況

全国規模の古武道大会に参加演武するほか、岡山県古武道連盟主催の古武道祭には門人一同が毎年参加演武している。また、相伝家十三代目師範による武道セミナーの特別講義や生涯学習講座の講演・演武、県立高校社会人活用講座、テレビ出演などが好評を博している。本部道場(相伝家稽古場)では、必要に応じて入門講座・教養講座・特別講座を開設している。なお、相伝家十三代目は、岡山県古武道連盟の会長として活躍している。

●稽古場及び支部
▽本部道場(相伝家稽古場) 岡山県岡山市建部町角石谷1131
毎週水曜日午後7時半から稽古
 必要により特別講座などを開設
▽支部(支部道場)
 竹内流岡山道場(岡山市)
 竹内流東広島道場(広島県)
 竹内流福山道場(広島県)
 岡山理科大学古武道部
 広島大学古武道同好会
 吉備高原学園高校古武道部
●文化財指定
 道場一帯が『竹内流発祥の地』として岡山県指定史跡(昭和五十一年)になっている。
中羽手「紅葉狩」中羽手「紅葉狩」